情。

物への情が厚い。厚すぎるのです。
タレメに関わった人達が口々に言う『感受性が豊か』ってこういうのも含まれてるのかもしれない。


今朝、靴下のゴムが伸びてしまっててもう履けないものを見て

「これはもう履けないから捨てるかなぁ。」

と言ったら…
静かに隣の部屋に行き、シクシク泣きながら靴下を抱きしめて話し掛けている。

「くつしたさん…ごめんね。いままでほんとうにありがとうね。
　タレメはくつしたさんのこと、だいすきだったのよ。
　だからいつもはいててこうなっちゃったのかな。
　タレメはわすれないよ…。
　でも まだいっしょにいたいのにね…。」

などなど…。朝の忙しい時に靴下との別れを惜しむわけで。


これ以外にも、使い込んでボロボロになってしまったハンカチだったり、私の長靴が壊れてしまったのでゴミ袋に入れておいたのを見つかった時だったり、お菓子のオマケの玩具だったり、使えなくなった文房具…。
特に、サイズアウトした服をヤフオクに出したりリサイクルショップに売ったりしたら、そりゃーもう大変。

物への情がハンパない。

物を大事にするってことは良い事なんだけどね…。
ただ、何かを捨てる度に一大事になるのでちょっと大変でもあるわけで…。
そして、立ち直るまでに時間が掛かりすぎるわけで…。


しかもこの人、自分の持ち物を結構覚えてるんだよ。
あんまり悲しませないように、とコッソリ捨てたとしても

「あれ？さいきん●●●がないんだけど、どこにしまったっけー」

と。
で、真相を知れば号泣。
なので最近はちゃんと物にお別れをさせてあげることにしてる。


あんまり『飽きる』ということもないようで、新しい玩具で遊んでてもいきなり

「そういえばさいきん、これであそんでないからきょうはこれにしよう！」

と言うこともしばしば。
それこそ、「いらないだろーそんなの」と私が思うようなペットボトルについてたオマケでもなんでも。

捨てられた後の玩具や服たちがどうなるか、というお話を作った。
でないと、ゴミとして捨てることに納得してくれないし。


タレメが大事に大事にしていた玩具たちは、『おもちゃの国』に行くんだよ。
だから、捨てる時にちゃんとお別れを言って、どれだけ大事にしていたか話してあげてね。
そうしたら、玩具たちも「大切にしてくれてありがとう」って思ってくれるよ。
それで、『おもちゃの国』にはそうやって大事にされたけどもうおうちにいられなくなった玩具たちが暮らしてるんだよ。
タレメが着ていた服も、そこに住んでるぬいぐるみ達が着てるよ。
ハンカチだって、玩具たちが使ってくれてるだろうね。
そこではきっと、玩具を大切にしてくれた子のことを話してるだろうね。
「タレメちゃんはすごく大事にしてくれたのよー」
「私も大事にされてたんだよー」って。

だから、そんなに悲しまなくても大丈夫。
タレメがそれだけ大事に思ってた事、玩具たちも知ってるからね。
でも、大事にしてあげなかったコは『おもちゃの国』にいけなくなっちゃうから、ちゃんと大切に使おうね。


…と大体そんな感じで。

空想大好きなタレメはその話が相当嬉しかったようで、その後は…まぁ一大事には変わりないけど、悲しいだけではなくなった様子。

「ちゃんと『おもちゃのくに』にいってね。みんなとなかよくね。」

って言えるように。
ちょっと前向きでしょ？


なんか、話してて私も、要らなくなったモノを『ゴミ』って言うのが申し訳ない気持ちになってきちゃったりもする。